ゴスペラーズ酒井雄二さんのライブ、パフォーマンスでの魅力
エンタメ好きな僕ねこす店長のカフェに来てくれているのは、ゴスペラーズ好きいわゆるゴスマニアのカナデさん。
メニュー
クリアで柔らかく、伸びのある声
音を伸ばした時の母音がとても綺麗な酒井さん。ビブラート※はあまりかからないタイプです。
しかし逆に「この楽曲を表現するために!」と意識をしてビブラートをかけた時の美しさは半端ではありません。本来のクリアで美しい発声に音の抑揚が加わると、思わず「おぉ…!」と声を上げてしまうようなエネルギーを感じるようなパフォーマンスになります。
※音程を細かく上下させる歌い方。ゴスペラーズでは黒沢薫さんによくみられる。
ヒューマンビートボックス
いわゆる「ボイパ」(ボイスパーカッション)と言うとピンとくる方もいらっしゃるかもしれません。ただ、酒井さんはボイパではなく「ヒューマンビートボックス」(HBB)と表現します。
この2つの違いは様々な説がありますが、基本的にHBBはピップホップ生まれで、多くの音色を持つと考える方も多いようです。酒井さん自身も「くちドラム」と表現することも。日本でもかなり早い段階でHBBを取り入れていました。
HBB講座なるものをラジオでやっていたこともあり、ゴスペラーズのアカペラ講座本「歌おう」ではそのテクニックをじっくり聴くことができます。
10年前には想像もしなかった次世代のアカペラを生み出す「ルーパー」
2017年ごろにステージや制作に加わった新兵器「ルーパー」を操るのが酒井さん。
同時に5つの音を録音・反復して再生することができる機材です。例えば酒井さんのHBBでドラムの音を録音・反復して再生しておけば、HBBの音を鳴らしたまま酒井さん自身も歌うことができる!!という優れもの。昔苦労されていた「HBBをしている間はコーラスが一人抜けてしまう!!俺がもう一人いたら!!」…という願いを見事に叶えた夢の機材。
ゴスペラーズはこのルーパーを使ったアカペラを「ハイパーアカペラ」と呼びます。これによってグループとしての楽曲表現が大幅に広がりました。
英語の発音が綺麗
メンバーの中でも英語の発音が綺麗なのが北山さん、そして酒井さんです。
酒井さんの英語を堪能するなら、アルバム『FRENZY』収録の♪It should’ve been me(that loved you)や、シングル『告白』収録の♪This Christmas がおすすめです。
トークでは絶対に欠かせない存在
ライブパフォーマンスでは安定感がある一方、それ以外の面では色々な意味で斜め上。このキャラクターが最大限に発揮されるのが、ライブのMC(トーク)です。
とにかく発想が突拍子もなく周りを驚かし、笑わせてくれるので、お客さんは酒井さんが喋るたびに「えっ!?(笑)」という状態になるのが日常茶飯事。酒井さんの発言をきっかけとしてMCが爆発的に面白くなったエピソードはもはや数えきれません。
中でも印象に残っているのは、2011年~2012年に行われたツアー『ハモリズム』東京国際フォーラム公演2日目のこと。最後に1人1人が挨拶する際一番最初だった酒井さんは突然「今日は皆さんの拍手がこう…しゅわしゅわーっ、パチパチッと…天ぷらを揚げる音に聞こえてきて(?)」と。会場は「てんっ?…天ぷら…?なんで天ぷら…でも確かに…(笑)」と爆笑の渦に。そんなことを言うもんだからその後は会場中の全員、拍手が天ぷら油の音にしか聞こえなくなる呪いにかかってしまい、他のメンバーが良いことを言って拍手が起こっても会場中から「(パチパチパチ…)やばい…天ぷら…(笑)」とずっと天ぷら。終始天ぷら。何を言っても天ぷら。
このライブから何年もたっていますが、いまだにこの光景を思い出すと笑える、酒井さんMCの中でも屈指のエピソード。…と、こんな感じで日本全国津々浦々の会場で彼の斜め上トークが炸裂し、ファンはそれを楽しみにしてます。
ゴスペラーズのメンバーって何人?どんな人?ひとりひとりを解説!