9nineのサマーチューンが描く、恋を通して成長する主人公の姿
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9nineの「夏×恋」楽曲
アイドルの中ではかなりキャリアの長いグループである9nine。
今日のお話は、アイドルファンの中で良曲が多いグループとしても知られる9nineが歌う「夏×恋」をテーマにした楽曲についてです。
その中でも代表的な『夏 wanna say love U』『SUMMER SUMMER SUMMER』『国道サマーラブ』の3曲の詞の世界に注目すると、主人公の心の移り変わりや成長を楽しむことができます。
思いを伝えたいけど伝えられない、不安定な10代の主人公 ― 夏 wanna say love U
2012年夏発売のシングル『夏 wanna say love U』。夏をテーマにした楽曲の中では(リニューアル後の9nineの中で)もっとも古い曲です。
ビートが効いたベースラインと強いメロディに繊細で不安定な主人公の気持ちを表す歌詞が乗っています。
キラキラした暑い夏、好きな人に想い伝えるタイミングをうかがっている主人公。
どんな顔をして伝えたらいいのかわからない、でもこの恋でネガティブな自分を捨てて輝く自分になりたい!
というような、告白したいけど勇気がでない、もどかしい時期の気持ちを歌っています。
詞と曲のイメージから、10代前半~中盤の女の子の恋だと捉えられます。
恋に溺れるだけではない未来を描く心の余裕 ― SUMMER SUMMER SUMMER
2015年発売のシングル『HAPPY 7 DAYS』のカップリングである『SUMMER SUMMER SUMMER』。
朝から暑い、付き合い始めた大切な人と過ごす夏。
この曲の主人公は、相手と自分の生活のちょっとしたすれ違いをなげきながらも二人でいられることに対して安心感や、感謝を気持ちを抱いています。
先ほど紹介した『夏 wanna say love U』の主人公と比較すると、告白したいけどできなくて…という段階から恋がステップアップしていますが、もっと注目したいのは、主人公に心の余裕が生まれているところ。
恋の相手や出会いそのものに感謝したり、二人が笑顔で過ごせる日々が続いていくことを願う。
自分自身もまだまだ不器用であることを分かった上で、前向きな最後のフレーズ「また夏を描こう」で未来を見つめる余裕を持つことができているところに人間として成長が見られます。
焦る気持ちの中でも輝く未来に向かって前向きな言葉を綴る『国道サマーラブ』
2018年、活動休止前ラストシングルの1曲前に配信リリースされた『国道サマーラブ』。リニューアル後の9nineが夏をテーマにした楽曲としては最も新しいものです。
詞のテーマは最初に紹介した『夏 wanna say love U』と同じく、大切な人に想いを伝える直前のドキドキ感を描いています。
ですがそこには明らかな違いがいくつも見受けられます。
Aメロで海に出かける仲間の中の一人に想いを寄せているというシチュエーションが語られ、主人公がもう10代前半の幼く不安定な年代ではないことがわかります。
この曲がリリースされた時点での9nineメンバーの実年齢も、最年少の村田さんを除けば20代後半。彼女達の年代の等身大の恋が描かれているように思います。
詞の中に「愛は奇跡」「夏は短い 急がなきゃ」「言わないより言った方がマシ」というフレーズがあります。
出会いそのものも、一緒に居られるのも、その先を過ごせる相手であることも、そもそも奇跡。日常起きる事柄が当たり前ではないことをしっかり捉えられています。
もし想いが伝えられて隣に居られることになってもハッピーなことばかりではない、でも伝えられないまま終わるより何倍もいい。
想いを伝えられるタイミングは限られているから、それを逃しちゃいけない。
と、告白する直前の緊張感の中に居ながらも、未来をより良いものにするための前向きな言葉がたくさん語られます。
これは今までいくつかの出会いと別れを経験してきたからこそ辿りつけるもので、精神的に大人になった主人公の姿が夏の海岸線のドライブという爽やかな情景と共に映し出されます。
9nine自身の成長と共に
長いキャリアの中で9nine自身も年齢を重ねて人間としても成長しました。
自分たちで楽曲を制作しているわけではないにもかかわらずそれぞれの時期に見合った楽曲が提供されているのは、当たり前のようでそうではないと思うと、とても興味深いです。
これは作家陣が9nineのパフォーマンスや話す姿を見て「今のこの人たちにはこういうメッセージ性の曲を」と楽曲を制作してくださっているからでしょう。
メンバーが制作に直接介入するという形でなくても、ある意味で作家陣と9nineのキャッチボールから楽曲が生みだされているということだと思います。
2019年現在、活動休止中の9nine。それぞれがまた新たな強みを持って、揃ってステージに立ってくれる日を心待ちにしています。
それと同じくらい、成長した9nineが歌う新しい楽曲が楽しみです。
まとめ
- 2012年リリース『夏 wanna say love U』は幼く不安定な恋心を描く10代の恋愛を思わせる
- 2015年リリース『SUMMER SUMMER SUMMER』では相手への感謝や未来を描く余裕がでてくる
- 2018年リリース『国道サマーラブ』年齢も人間性も成長し、恋の喜びも悲しみも知った上で前向きな言葉が並ぶ
- 9nine自身の成長と共に楽曲の中の主人公も成長する様子はとても興味深い。再開後の彼女たちの楽曲が楽しみになる。