京都アニメーション放火事件~私達の宝物を作ってきたクリエイターたち~
メニュー
京都アニメーションはどんな会社なのか
京都アニメーションという会社を今回の事件で初めて知ったという方も多いでしょう。
ではスタジオジブリはご存じですか?
日本にはアニメーションを制作する会社がいくつも存在し、様々な作品を日本国内・そして海外に送り出しています。中でも京都アニメ―ションは、作品によって画風は違うものの1つ1つの描写が繊細で、沢山のファンを持つ制作会社です。
ファンの間では『京アニ』の愛称で親しまれ、「京アニの作品だったらまず間違いないだろう」と思わせる絶大なブランド力があります。
世界中の人々の「宝物」を作ってきたクリエイターたち
一般的にドラマ、映画、アニメなどの映像作品のプロモーションで名前が挙がるポジションの方と言えば、生身の演者である俳優さんや声優さん、その次に監督、その次にスタッフ(クリエイター)の方々になると思います。
けれどこういう大々的な場所に名前が出るわけではないスタッフの方々が完成に向けて毎日毎日作業をしてくれているからこそ、作品が完成して私達の元に届けられるわけです。
中でも京都アニメーションに携わるクリエイターの方々は、最終的に画面に映し出すべき世界観を高いレベルで理解し、それを凄まじい精度で紙の上に表現する技術を持っているように感じます。
その技術を手にするまでに、それぞれの人生の中でどれほどの熱量を持って絵や映像表現と向き合ってきたのでしょう。今回失われた33の命はもちろん被害に合われた全てのクリエイターが、京都アニメーションの作品を支えていたことは明白です。
そういった日々の努力の末に完成された作品を見て感動し、勇気をもらい、宝物のように思っているファンが世界に沢山いるのです。
自分にとって宝物のような物語を形作ってくれた、時には作品そのものだけではなくそれを通した思い出さえも作ってれたクリエイターの方々。
そういう方々が「事件」どころかもはや「テロ」と表現される出来事の標的になり、あまりにもむごい形で人生の幕を下ろすことになった。
こうした前提があって今、世界中のファンが心を痛めています。
日本の歴代テロの中で考えても、あまりに凄惨なできごと
一方で今回の事件の被害にあったのがそうした『人気の高いアニメ制作会社であること』を抜きにしても、あの重々しい「地下鉄サリン事件」を含む日本の歴代テロ、単独犯による死者数を上回る最悪の事件となってしまいました。
一般の人が会社に出勤し、いつも通り仕事がスタートする10時に机に向かい、いつも通り作業をしていたところ、突然男が入ってきてガソリンを撒き火をつけ爆発的な火災を起こしたのです。
もし自分がその状況に巻き込まれたら。
もし自分の家族が朝「いってきます」と言って出て行った数時間後、そんな恐ろしい状況に巻き込まれていたら。
そう考えると血の気が引き、頭が真っ白になります。
「大切な人を失った悲しみは決して癒えることはありません」
個人的な話ではありますが、私自身も大切な人をある日突然失う経験をしたことがあります。亡くなられた方お一人お一人のご家族や友人のショック、その後の人生の事を考えると、あまりにも胸が痛いです。
「大切な人を失った悲しみは決して癒えることはありません」そんな使い古された言葉、と思う方もいらっしゃるでしょう。しかしこれは事実です。それも、あまりにも重い事実。
時が経てば経つほど、「あぁ、今あの人が居てくれたら」「あの時少しでも何かが違っていれば」そんな想いが日常のなんでもない瞬間に湧き上がり、ぐっと胸をつかまれて、寂しさと息苦しさを感じるんです。それがきっと一生、続いてゆく。
こんな辛く重苦しいことが、凄惨な事件によって36も起こったのが今回の事件。
亡くなった方に関わる全ての方が少しでも、ほんの少しでも心穏やかに過ごせる日が来ますように。祈らずにはいられません。
今はそれぞれができることをする
今回の事件を受けて「自分に何ができるのか」と考える方も多いのではないでしょうか。
京アニ内部の方で今回被害に合っていない方々も、今はまだ会社としてどういう体制を取ったらよいのかわからず、混乱されているはずです。千羽鶴など物を送るなどの行為はたとえ善意であっても京都アニメーションに負担を与えてしまうでしょう。
本当に支援になることは何なのか。
京アニ制作の作品を購入する、京アニ制作の劇場作品を見に行くなど支援の方法が飛び交っています。海外の企業によってクラウドファウンディングが立ち上げられたもしているので、それに乗るというのもありでしょう。
正解はないと思いますが、今は「京アニ側が支援を受け取る体制が整うまでファンとして力をためておく」というのも一つの選択肢ではないでしょうか。
間違っても「何も出来ない自分」を責めないでください。
自分自身の心のことを置き去りにしていませんか
今回の事件に胸を痛め、関心が高い人ほどニュース映像やTwitterの関連情報を追い続けてしまうかもしれません。特に現代は高精細な映像や音声、臨場感のある報道を通して情報が伝えられます。
実際に事件現場にいなくても、衝撃的な映像を繰り返し見ることによって心に負担がかかっていくことをご存じでしょうか。映像によってPTSD = 心的外傷後ストレス障害を引き起こすことが多数の症例からわかっており、仮にPTSDと表現するほどではないにしても心は小さく悲鳴をあげているはずです。
もし検索やTwitter経由でこの記事に辿りついてくださった方。大丈夫ですか? 疲れていませんか?
時が来たとき、支援する側は元気でいなくてはいけません。自分の心もしっかり守りましょう。それが支援の第一歩だと思います。
まとめ
- 京都アニメーション(京アニ)は作品の高いクオリティから世界中のファンに支持を受ける日本のアニメ制作会社
- 日々努力を重ねて素晴らしい技術力を培い、ファンにとって宝物のような作品を作ってくれたクリエイターたちが被害にあった事件
- ある日突然大切な人を失う悲しみは、その人に関わる人々の心の中に一生残り続ける
- 支援される側の受け入れ態勢が整うまでは、ファンとして力を貯めておくというのも一つの正解、自分を責めないこと
- 事件映像を繰り返し見たり情報を追いすぎることによって心を痛める可能性もあるため、これを読んでいる方自身の心も大切にしてほしい